いつもお世話になっております。エキサイトドライブ代表の藤崎です。
今回は置き配サービスの標準化について記事を書きました。


国土交通省は、宅配便の「置き配」を標準サービスに追加する方針を決定しました。
これは、物流業界の「2024年問題」によるドライバー不足や再配達削減を目的としたもので、2026年度以降に国の基本ルール（標準運送約款）を改正し、普及を促す狙いです。
置き配サービスの標準化は、物流業界の効率化と消費者利便性の向上に大きな効果が期待されますが、一方で複数の課題も存在します。


効果
再配達の削減：受取人が在宅している必要がなくなるため、再配達の頻度が大幅に減少し、物流業界の大きな課題である「2024年問題」などに伴う人手不足や労働負荷の軽減につながります。
業務効率の向上：ドライバーは1回の訪問で配達を完了できるようになり、1日あたりの配達件数を増やせます。
利便性の向上：消費者は自分の都合の良い時間に荷物を受け取ることができ、ライフスタイルに合わせた多様な選択肢が得られます。
コスト削減：再配達にかかるガソリン代や人件費などのコストが削減され、EC事業者や配送業者全体の経済的効率が向上します。


課題
荷物の盗難・紛失リスク：最も懸念される課題であり、荷物が屋外に放置されるため、盗難や紛失のリスクが高まります。
荷物の破損・汚損リスク：天候の影響（雨、風、直射日光など）や、通行人・動物などによる荷物の破損・汚損のリスクがあります。
セキュリティと補償体制：盗難や破損が発生した場合の責任の所在や補償の仕組みが明確でないと、利用者や事業者の間でトラブルになる可能性があります。
集合住宅での対応：オートロック付きマンションなど、建物構造によっては配達員が入れない、共用部分への放置が管理規約で禁じられているなど、標準化の妨げとなる物理的・制度的な課題があります。
データ連携の標準化：異なる配送業者やEC事業者間で、置き配場所の指定や配達完了通知などのシステム・データ連携を標準化する必要があります。

標準化を進めるには、これらの課題に対して、宅配ボックスの設置促進、保険や補償ガイドラインの明確化、技術的な解決策（オートロック解除システムなど）の導入が求められます。